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家賃補助の相場はいくら?企業が知っておくべきポイントと導入のメリット

企業にとって、従業員の生活の質を向上させるための福利厚生制度は欠かせません。

その中でも「家賃補助」は特に人気の高い制度の一つです。本記事では、家賃補助の相場やメリット、導入にあたってのポイントについて詳しく解説します。福利厚生制度を適切に設計することで、企業は優秀な人材を確保し、従業員の定着率を向上させることができます。ぜひ参考になさってください。

福利厚生制度における家賃補助とは?

家賃補助は数ある住宅手当のひとつ

家賃補助は、企業が従業員に対して提供する住宅手当の一種です。主な住宅手当には、家賃補助を含め以下のようなものがあります:

  • 社有社宅(社宅・社員寮)
  • 借り上げ社宅
  • 家賃補助
  • 住宅ローン補助
  • 引越し手当

それぞれの制度の違いや導入時に考慮すべきポイントは、以下の記事でも詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

関連記事:社宅と社員寮の違いは?メリット・デメリットとその他の住宅手当制度との違いまで徹底解説!

関連記事:住宅手当とは?住宅に関する福利厚生の要素と最新動向を徹底解説!

家賃補助の人気は高い

家賃補助は福利厚生制度の中でも特に人気が高い施策です。

労働政策研究・研修機構が実施した「企業における福利厚生施策の実態に関する調査」によれば、労働者が必要性を感じる福利厚生として「家賃補助や住宅手当の支給」が上から3番目に上がっています。

引用:厚生労働省|令和2年版厚生労働白書-令和時代の社会保障と働き方を考える-(本文) 図表1-3-35

家賃補助を提供する企業は多く、特に若い世代の従業員にとっては、重要な選択基準の一つとなっています。

家賃補助金額の相場

家賃補助の金額は地域や企業によって異なりますが、厚生労働省の統計データを基に一般的な相場を見ていきましょう。

『令和2年就労条件総合調査の概況』によれば、労働者一人あたりの住宅手当等に関する平均支給額は以下の通りです。

企業規模

住宅手当など

1,000人以上

21,300円

300〜900人

17,000円

100〜299人

16,400円

30〜99人

14,200円

令和3年調査計

17,800円

厚生労働省|令和2年就労条件総合調査の概況|第19表 諸手当の種類別支給された労働者1人平均支給額(令和元年11月分)より抜粋

企業規模により開きがありますが、17,000円程度をひとつの基準として、家賃補助の支給額を考えてみるとよさそうです。

家賃補助のメリット

家賃補助制度には、企業と従業員の両方にとって多くのメリットがあります。

社宅や社員寮と違い、管理の手間が省ける

企業にとっての家賃補助の最大のメリットは、社宅や社員寮と異なり、管理の手間が省ける点です。

企業は従業員に対して給与に上乗せして補助金を支給するだけで済むため、手続きが簡単です。これにより、人事・総務担当者の負担を軽減できます。

従業員も自分が好きな物件を自由に選べるため、物件の選択肢の幅が広がります。

採用強化、定着率向上

家賃補助は、採用や定着率の向上にも寄与します。

特に都市部での生活費が高騰している中で、家賃補助を提供する企業は、求職者にとって魅力的な選択肢となります。

結果として、優秀な人材を確保しやすくなり企業側にもメリットをもたらします。

家賃補助の条件や金額を決める際に考慮すべきポイント

家賃補助の目的のひとつは、従業員間の住宅費用の負担差を解消することです。

特に、新入社員や単身者は給与水準が低いため、家賃補助の必要性が高く、優先的に支給する意味合いは大きいでしょう。

また、転勤者に対しては、家賃補助以外にも、引越し手当や単身赴任手当などを支給することで、転居に伴う負担を軽減することが考えられます。

勤務地が一箇所しかなく住宅費の差が生じにくい場合は、全従業員に一律の家賃補助を支給する形でもよいかもしれません。

このように、家賃補助は企業の状況や従業員の属性に応じて柔軟に設計していく必要があるのです。以下からは、考慮すべきポイントを具体的に見ていきます。

通勤距離

勤務地から自宅までの距離によって、家賃補助の基準を変えることも考えられます。

企業は勤務地近くに住む従業員に対して家賃補助を行うことで、通勤時間の短縮やリスク軽減を図ることができます。

特に、企業はアクセスの良い立地にオフィスを構えることが多いため、自然と家賃が高いエリアに住むことになりがちです。こうした場合、家賃補助が重要な役割を果たします。

また、通勤時間が長いと、通勤中の事故による労災リスクや、公共交通機関の遅延・休止によって業務に支障が出るリスクが高まります。そのため、企業は従業員が会社近くに住むように福利厚生として家賃補助を提供することで、通勤リスクを減らし、事業の継続性を高めることが可能になります。

世帯構成

従業員が単身者か、あるいは扶養家族がいるという点も、家賃補助の条件を決める際の重要なポイントです。

例えば、扶養家族が多い従業員には、より高額な補助を提供する企業もあります。家族を持つ従業員は広い住居が必要となるため、その分家賃が高くなる可能性があるためです。

役職・勤務年数

役職や勤務年数も、家賃補助を決定する際に考慮すべき要素です。

一般的に、長く勤務している社員や、管理職クラスの従業員には、より手厚い補助が提供されるケースが多く見られます。このような優遇措置は、社員のモチベーションや定着率向上にも寄与します。

勤務エリアの家賃相場

勤務エリアの家賃相場も、家賃補助の金額を決定する大きな要素です。

都心部での勤務であれば家賃が高くなるため、その地域の相場に合わせた家賃補助が必要となります。逆に、地方勤務の場合は相場が低いため、補助額を抑えることも可能です。

家賃補助の税務上の取り扱い

家賃補助を導入する際には、税務上の取り扱いも重要なポイントとなります。

福利厚生費として計上でき、法人税の削減に繋がる

家賃補助として従業員に支払う費用は、福利厚生のために必要な費用として経費に計上することができるため、法人税の削減に繋がります。

家賃補助は上乗せ給与として扱われるため従業員にとっては税負担が増えることになる

企業が家賃補助を支給する際には、その内容に注意が必要です。

従業員が自身で契約する物件の家賃に対し金額を支給する場合や、現金を直接支給する場合の家賃補助は、給与への上乗せとして扱われるため、課税対象となります。

これは従業員にとって税負担が発生することを意味し、デメリットになりえます。

社有社宅や借り上げ社宅の場合は?

一方、保有する社宅・社員寮や借り上げ社宅の場合、一定額の家賃徴収を行うことで、従業員の税負担を軽減することが可能です。企業としても、福利厚生費として計上することで、税負担や保険料負担を軽減できるため、双方にとってメリットがあります。

この2つのケースの違いについては、以下の資料で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

ホワイトペーパー:家賃補助 vs 社宅・社員寮~自社に最適な住宅補助制度を選択するには~

まとめ

家賃補助は、企業にとって従業員の生活をサポートし、福利厚生を充実させるための有効な手段です。相場を理解し、適切な金額や条件を設定することで、従業員の満足度を向上させることができます。 

また、家賃補助は社宅や社員寮に比べて管理が容易であり、採用強化や定着率の向上にも寄与します。

ただし税制上の取り扱いには注意が必要です。家賃補助以外の住宅手当に関しても理解を深め、自社にとって最適な住居サポート制度を選択しましょう。

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