1) 社員寮の運営はどのようにされているのでしょうか?
弊社は、全国から集まる新入社員に向け、社員の生活を守る目的で、社員寮を自社で保有・運営していました。しかし約20年前に建物の老朽化など、様々な要因を含め検討した結果、自社寮を手放し、共立メンテナンスが運営している社員寮ドーミーを契約して今に至ります。
昔の自社寮は本社のすぐ隣にありました。社内には仕事終わりの汗を流すためのお風呂がありまして、そこは自社寮のお風呂も兼ねていました。当時から寮には寮長・寮母がいること、食事の提供があることを重要視しており、今も変わっていません。
寮の窓口は総務部管轄となり、入社に伴う入退寮手続きや寮生活のサポートなどを社員寮ドーミーに常駐されているマネージャー夫妻と連携しています。
毎年3月中旬頃から新入社員の入寮対応などが始まるというスケジュールです。中途社員に関しましては、採用状況に応じて受け入れています。入寮対象者としましては、地方から入社される方や通勤時間が片道1時半以上の高卒、大卒生です。
高卒生の場合はまだ18歳という年齢で、初めて都会で一人暮らしをすることになりますので親御さんにも安心していただくため、信頼できる共立メンテナンスのドーミーにお願いしています。寮として一般的なアパートを借り上げることもできますが、ドーミーは親御さんや高校の先生方の安心感が全く違います。
ドーミーにマネージャー夫妻が常駐している点は、親御さんに安心してもらえますし、他の賃貸物件などより優位性があると感じています。
2)社員寮を運営される際に、いつも心がけていることはどんなことでしょうか?
社員寮と聞くと、どうしても会社色が強くなりがちですが、あくまでも寮は生活する場所です。そのため困ったときにはサポートをしていますが、個人のプライベートな時間を大切にしていただけるよう、会社側としてはいい意味で干渉しないように意識しています。
社員であったとしても会社を一歩出れば個人なので、社会のルールを守ることは勿論のことですが、基本的にはあまり立ちいらないように心掛けています。
プライベートに関することには過干渉にならないようにしています。私の気持ちとして仕事は仕事、プライベートはプライベートと考えています。しかし、ドーミーは共立メンテナンスが管理しているので、第一硝子の従業員として生活することを理解するようにとは伝えています。我々も仕事として寮生の管理をしなければいけないのですが、意識の切り分けはしています。
3)寮の設備など、特長をお教えください。
なんでもすぐに相談に乗ってもらえるマネージャー夫婦が常駐している点、食事が提供される点は、自社寮の頃から重視している設備面です。その両方を兼ね備えている中でもドーミーのクオリティの高さが契約している理由のひとつです。
新入社員の中には高校を卒業したばかりで、1人暮らしの経験がない地方出身者もいます。いつでも相談できるような人(先輩社員やマネージャー夫妻)が同じ場所で生活していて貰えることは社員の暮らしを心地よくサポートするためにとても助かっています。
親御さんの気持ちとしては、お子様の年齢がいくつであっても心配されると思います。そのため就職された後の生活をイメージされた時に、会社として社員の生活をサポートする寮を準備していることで安心感を持っていただいております。就職説明会で福利厚生について説明する際も食事提供を行っている社員寮を完備していることを話すと親御さんの受け取り方が全く違います。
実は、私も新入社員のときに寮に入ったのですが、その際に部屋に持ち込んだのは、布団と段ボール1つだけでした。それ以外に必要なものは働き始めてから自分のお給料で揃えていった記憶があります。ドーミーでは、ベッドをはじめ、生活するために必要最低限の備品が揃っています。最近では入寮の際に、冷蔵庫、テレビ、自転車を事前に運び入れている方が多いようです。
新しい取り組みとして、内定者を集めてドーミーの内覧会を開催するようになりました。館内にある共用部や居室を実際に見ていただき、「イメージしていた寮と違った、こんな設備があるのはすごくいいですね」といった感想を聞いています。マネージャー夫妻とのやりとりも、直接のコミュニケーションが苦手な方でも入寮者専用アプリで完結できるので、プライベートを重視する若い人にも安心だと思います。
ドーミーの入寮者同士でグループLINEを作ったり、買い物でこんな店に行ってみたとか、こんな場所に公園があるんだねとか話している様子を見ると、入寮者は入社後の親密さのスピードが違います。同じ場所で生活するのは、慣れない社会人生活の導入にも適していると感じます。
4)世の中の変化に沿って、寮の運営についてこれまでと変化がありましたでしょうか?
20数年前、私が社員寮に入っていたときは、夕食を食べた後に集まってゲームをしたり、誰が一番風呂に入るかを競走するなど楽しかった思い出がたくさんあります。今は時代が違うので、寮生活の楽しみ方も当然変化しているようです。
多様性など世の中は変わっていくことはありますが、福利厚生として会社が社員を手厚くサポートし、社員を大切にしているという点は今も昔も変わりません。価値観を押し付けるのではなく、バランスを取りながら対応していくことが総務課としても課題となっています。
私は規定上、入寮ができなかったのですが、寮での生活では会社とは違う顔が見せられたり、部門が違う先輩社員ともやり取りしているという話を聞きます。会社から金銭的な面もサポートがありますので、とてもうらやましいなと思っています。
5)管理側としての発見や気づきなどエピソードを交えてお教えいただけますでしょうか?
男性専用寮、女性専用寮とそれぞれのドーミーを準備しています。入寮できるのは、最大8年間です。高卒生の場合は26歳、大卒生だと30歳ですが、寮費は一律で据え置きという形態をとっています。そのため寮に入っていれば生活費はほとんどかからないに等しいです。我々は、寮生に入寮期間中にお金を貯めて、自分の生活スタイルを創り上げてから寮を出るという流れが出来るようサポートをしています。会社としては、社員の生活の安定が目的で、退寮時期を決めるのは本人次第としております。
一般賃貸の場合は、管理人が常駐していないため何か問題があったときにすぐに対応が出来ないということや、相談などもできないので、社員自らが対応しなくてはいけないという状況に陥ってしまいます。そのため、些細な事でも相談ができる窓口としてマネージャー夫妻が常駐していることは非常に助かっています。特に製造現場は交代勤務なので遅くまで業務が続く場合もあります。そのため暮らす場所は安心感のある環境を整えておきたいと配慮しています。
6)ご入寮される際の会社側からのサポートなどはございますか?
移動にかかる費用や引っ越し費用などは会社が負担しています。また事前内覧会は、館内や居室を実際にみることができますので、生活のイメージが出来て助かると好評です。
入社予定の男性2名、女性3名との内覧会では、お昼前に会社に来てもらって社員食堂にて先輩社員との懇親会を行い、その後ドーミーに移動してからは部屋の撮影をしたり、居室内を計測される方もいらっしゃいました。「あの荷物を持ってこれますね」というお声をいただきましたので、内覧会で入寮への安心度が増したようで開催して良かったです。入社される皆様の不安が少しでも軽減されるのであれば、今後も継続していきたいと考えています。
また、ドーミーでは宅配の荷物を預かってもらえたり、ウーバーイーツを頼めたりと、一般賃貸の物件のように快適に暮らせると思います。その他、大浴場・シャワー室・シェアキッチンスペース・24時間ゴミ出し可能など、1人暮らしが初めての方も安心していただける環境です。
7)未来に向けた抱負(今後の計画や希望など)をお教えください。
社員が安心できる空間を提供し続けていきたいと思っています。また、福利厚生を充実させることで、社員採用数も年々高めていきたいと考えています。
運営面については、共立メンテナンスやマネージャー夫妻に、我々が考える以上の対応をしていただいていますが、今後は入寮者へのヒアリングや、我々からもこうした方が良いのではという案を考えていき、両社にとってより良い関係が築ければと考えています。
総務課としては社員を守るために、日頃から様々な取り組みを行っています。通常では考えられないような緊急事態が起こった場合も、社員を守るのが我々の役割です。
特にコロナ禍では、共立メンテナンスと連携させていただき、本当に助かりました。ドーミーは感染者対応などが徹底されていましたし、入寮者を複数のドーミーに分ける必要があった際にも柔軟に対応いただきました。結果として、ドーミーに入寮する全員が行動制限になってしまう事態を避けることができました。このような緊急時の対応力という点も、一般賃貸と比べた際にドーミーは安心感が違います。これからもいろいろと相談しながら、社員を守るため、より良い社員寮運営を模索・挑戦していきたいと思います。これからもよろしくお願いします。